「流浪の月」
初めて読んだ凪良ゆうさんの小説。
本屋大賞受賞作には毎度心を強く揺さぶられる気がします。
何か心の中に深く大木を植えられたような。
表現が変かもしれませんが、深く根を張っているような感覚。
以前読んだ正欲という本ももう2年くらい前に読み終わったのにいまだに忘れられないし、時々思い出すのです。
今回の本はちょうど正欲と近いようなことを言っている部分があったような気がします。
最終的に伝えたいことは違うと思いますが、他人には理解できない自分の中だけのものが思考の大半を占めていて最後は他人に理解してもらおうなんて考えなくなってしまう。
考えなくなってしまうという表現はちょっと違うかな。
そもそも自分の考えや思考を他人に理解してもおらうとする必要はないわけで
もともとの、みんなこうでしょみたいな一般的と言われる考えを疑ってしまいます。
愛はないけれどそばにいたい
という文に深く共感しました。
最近、男女の友情は成立するのかみたいな話を聞きましたが、
友情とは違う形なのだと思うのです。
友達ではなくて同志に近いような、いやこれも違うか
やはり言葉で表すのは難しいですね。
言葉には限界があって、どんなに言葉にして伝えたつもりでいても、その思いまで伝わっているとは限らないですね。
なんだか、この本を読みながらすごく色々な事を考えさせられました。